木古内駅前散歩

2010年12月2日

函館から車で40分ほど、本日は木古内へ出張です。 仕事は順調にすすみ、5時前に終了。予定より早く終わったので、空いた時間を使って、木古内駅周辺を散策してみることにしました。美味しそうな料理店があれば、ついでに木古内で”今夜も晩酌”してしまおうかな。

寒中みそぎで有名な木古内。現在は、北海道新幹線工事もすすんでおり、活気づいているようです。 おいしいおいしい地酒”みそぎの舞”もあります。

それではさっそく出発。

出発は、木古内国保病院
出発は、木古内国保病院

出発点は、国道沿いにある、木古内国保病院前です。

病院前の道を真っ直ぐ北へ向かうと、JR木古内駅にたどりつきます。

まずは、この駅前通りをゆっくり歩いてみようと思います。

はじめて通る道。どんな景色が待ち受けているのかな。

美味しそうなお店は、あるかな?

ホテル吉澤
ホテル吉澤

病院のすぐ向かい側は、ホテルになっていました。レストランも併設してあります。

ビジネスホテルらしく、仕事を終えた人たちが、これからチェックインするのでしょうか。

寒中みそぎを行う会場は、この近くの海岸にあるそうです。その頃は、観光客も多く宿泊するのでしょう。

ホテルを右に見ながら進んでゆきます。

清本鮨
清本鮨

歩きはじめて間もなく、左手には寿司屋が見えてきました。清本鮨。

海岸町の寿司屋。是非ともここで、”今夜も晩酌”してみたい誘惑にかられますが、それでは旅が終了してしまいます。それに、先週、出費が多かったこともあり、ここは、見るだけにしておきました。

残念…

ふりかえると、そば屋が
ふりかえると、そば屋が

歩き始めようと振り返ると、そこには、”るとう”というそば屋がありました。

これまた大好きな文字、”各種定食”と書かれたのぼりがあります。奥には、とんかつと書かれたのぼりもあります。

そばも、定食も、とんかつも大好きです。

でも、旅は始まったばかり。もしも、ほかに店をみつけることが出来なかったら、戻ってくることにして、先に進みます。

街をゆっくり歩いてみるのが、この旅の目的。しかし、あまりにもゆっくり過ぎて、早くも周囲は夜の闇に包まれつつあります。気温もぐんと低下してきたのが分かります。ほんのちょっと、歩みを早めることにします。

最初の交差点
最初の交差点

歩き始めて数分で、大きな交差点に出ました。

靴の古城、和菓子店の末廣庵があります。立派な店構えです。

靴屋をのぞくと、驚くほどたくさんの商品が揃えてあります。

末廣庵は、老舗の餅・和菓子屋で、こちらもまたショーケースの中に、様々な種類のお菓子が並べられています。

ぜひとも老舗の味を堪能してみたいところではありましたが、これから”今夜も晩酌”があるので、ここも見るだけにしておきます。

交差点を過ぎ、北へ
交差点を過ぎ、北へ

古城、末廣庵を左に見ながら、北へと向かい直進します。

写真では、分かりにくいのですが、前方に三角の形をした木古内駅が見えてきます。

そこへ至る道にそって、様々な建物も並んでいます。

 

さらに気温が下がってきて、手がかじかんできました。旅の予定は、なかったため、軽装で家を出てしまったことが悔やまれます。

出てきましたよ。みそぎの舞
出てきましたよ。みそぎの舞

交差点から少し進んだところ、左手に東出酒店が見えてきます。

ありました、”みそぎの舞”の大きな看板。非常に胸が高鳴ります。

”今夜も晩酌”のあと、店が開いていれば買って帰ることにします。いま買ってしまうと、荷物になってしまうので。

 

さて、この先には、”今夜も晩酌”するのにいい店があるかな?

 

駅近くの空地 よく見ると雪だるまが
駅近くの空地 よく見ると雪だるまが

”みそぎの舞”を過ぎて、さらに少し進むと、左手に空地がありました。

駅の近くなのに、広く土地が空いています。北海道地方都市の、過疎化を実感します。

 

一昨日降り積もった雪に、無数の足跡があります。その先を目で追うと、雪だるまがありました。近所に住む子供たちにとっては、この空地が恰好の遊び場になっているのかもしれません。

子供の頃の雪遊びの記憶がよみがえります。

ホットショップきこない 近江電気
ホットショップきこない 近江電気

体が冷え、耐え切れなくなってきました。

そんなところに、”ホットショップ”がありました。近江電気店です。

今や、家電購入は量販店やネットショップが主流となっていますが、地方都市では、まだまだ個人経営の電気店もがんばっています。

生まれ故郷の赤平にも、当時は、個人商店がたくさんありました。どこの家庭も、電化製品を購入するために、近所の電気店を訪れていました。とても懐かしく思います。

 

ミヤザキ薬局
ミヤザキ薬局

電気店の隣には、これまた昭和の風情が色濃く残った、ミヤザキ薬局がありました。

昔、薬局の前には必ず”ケロヨン”がいましたが、ここには置いてありません。雪の降る季節となり、片づけてしまったのでしょうか?

子供のころ、よくケロヨンの頭をグワングワン揺らして楽しんだものです。

スイーツギャラリー北じま
スイーツギャラリー北じま

駅に近づいてきました。

電飾が施された、きれいで明るい店が見えてきました。スイーツギャラリー北じまです。

窓が大きく、中の様子がよく見えます。洋菓子がカラフルに陳列されています。

寒さと空腹感が限界に達してきました。寒さは正直、身の危険すら感じるほどです。

寒さと空腹にさらされながら、平和で暖かそうな店内を覗きこんでいると、マッチ売りの少女になった、ふとそんな気分になりました。

さらに歩調を早めて駅へ向かいます。

カラオケの廃墟
カラオケの廃墟

カラオケ店も次第に大規模化し、さらに過疎化が追い打ちをかけ、このような廃墟と化してしまったのでしょうか。

駅前の一等地です。きっと、毎晩のように楽しい唄声で溢れていた、そんな時代もあったのでしょう。

初めて来た場所ですが、盛り上がっていた頃の情景をリアルに思い浮かべることができます。出身地赤平の雰囲気に、どこか似ているからなのかもしれません。

JR木古内駅 折り返し地点
JR木古内駅 折り返し地点

駅の目の前に、非常に魅惑的な店があったのですが、それは後ほどにして、まずは駅舎内の見物と暖をとるために、急いで駅の中へ。

入るとすぐに切符売り場や改札があると思ったら、そうではなく、目の前に大きな階段があります。駅施設は2階にあるようです。寒いので、一気に階段をかけのぼります。

階段の壁には、JRの宣伝ポスターの他、北海道新幹線のPRポスターがたくさん目につきます。あと何年かすれば、新幹線で”きままに一人旅”ができるようになるわけです。

 

駅舎から見る、貨物列車
駅舎から見る、貨物列車

2階にのぼりきった時、ちょうど貨物列車が入線してきました。雪が積もる夜景。遠くに照明や列車の信号灯が見えます。なんだか、映画”駅STATION”の一こまでも見ているようです。

 

しばし景色を堪能。同時に冷えた体を暖房。

駅舎内の直売所
駅舎内の直売所

十分体が温まり、旅の続きの意欲が再燃してきたところで、再び1階に下りてみます。寒さのため、入ってくる時に気がついてはいたけど素通りした、駅売店です。

扉の前には、地元で採れた野菜が格安で販売されており、扉の向こうには、これまた驚きの低価格で、海の珍味の数々が販売されています。

購入しようかと思ったけど、旅はまだ半分。荷物になってしまうことを考え、ここも見るだけ。

駅前の魅惑店 急行
駅前の魅惑店 急行

暗くなった夜の闇の中で、真っ黄色の看板が人の心を誘惑します。

これまで駅に降り立った人で、この店のことを忘れてしまった人は、たぶんいないでしょう。

周囲の風景から、2歩ほど前に飛び出してみえる店舗です。とてもインパクトがあります。

駅前の食堂ですから、列車用語”急行”なのでしょうし、おそらくは注文から出来上がりまで、”急行”並みに早いのでしょう。

焼きそばが量も多く、美味しいそうです。聞いてもいないのに、そばで客待ちしていたタクシー運転手が教えてくれました。

進路を西へ
進路を西へ

焼きそばでお腹いっぱいも悪くないのですが、ちびちびつまみながら一杯、と考えていたため、いずれ昼ごはんを急行でいただくことに決め、今来た道を引き返すことにしました。

大きな交差点までもどります。体が温まり、気持ちも優しくなり、旅を楽しんでいる自分を感じます。

交差点を左折してしまうと、すぐに国道に出てしまうため、右折し西側に向かって歩いてゆきます。まだまだ木古内の市街地を探索します。

青木永寿堂
青木永寿堂

しばらく、電気の付いた店はありません。そのまま歩き続け、ようやく右手に明かりの灯った建物が。

近づいてみると、お菓子屋でした。青木永寿堂。

玄関前には、栗どら焼、長崎かすていらなどなど、美味しさが伝わってきそうなデザインの看板が。

 

ビジネスjホテル石川屋
ビジネスjホテル石川屋

しばらく商店の明かりもなく、暗い沿道。

この先、暖を取れるところがあるのか、それ以上に”今夜も晩酌”できるところがあるのか。

再び次第に体が冷えてくる中、不安がふくらみます。

歩道に残雪があります。防水靴ではないので、足場を選んですすみます。気持ちは急いでいるのですが、ピッチはなかなか上がりません。

左手に明かりが見えてきました。ビジネスホテル石川屋です。1階はそば屋にもなっています。

そばで一杯にしちゃおうかな。

向こうに橋がみえました
向こうに橋がみえました

どうしようか迷いながら周囲を見渡すと、道の先には大きな橋がかかっているようです。

川の流れを見たくなり、さらに先に進むことにしました。

ここからは、歩道の幅も広くなり、比較的路面状態もよくなってきました。

急ぎ足で橋へ向かいます。

川の流れに白鳥が
川の流れに白鳥が

思ったより大きな川でした。ゆったりと水がながれており、あまり水音は聞こえません。そのかわり、何かの鳴き声が聞こえます。声のした方向を凝視しますが、暗いのでよくわかりません。

しばらく眺めていると、川面に反射している照明の光の中に、一羽の白鳥の姿が見えました。すかさず撮影。しかし、帰宅後に写真を確認すると、よくわかりません。この写真のどこかに、間違いなく白鳥が一羽写っています。

寿旅館の方向へむかう
寿旅館の方向へむかう

他より少し高くなっている橋の中央から、その先をみるとコープさっぽろの大きな看板と民家の明かり以外、何も見えません。白鳥も見れたことだし、引き返すことにしました。

さきほどの石川屋のあたりまで戻ってきて、ふと振り返ると寿旅館の看板が。旅館があれば、その周辺にはなんらかの店があるかもしれない。そんな推理のもと、矢印方向へ進んでみます。

 

だいじょうぶかな…

薄暗い小路…
薄暗い小路…

薄暗い小路へ入ってゆきます。旅館や商店の明かりはなく、ただ民家様の建物だけが軒をつらねます。

戻ろうかとも思ったけど、新しい発見を期待し、さらに進んでゆくことにします。

 

すぐに道は右へと折れます。角に明かりの着いた大きな建物がみえましたが、個人の住宅なのか、商用の店舗なのか、よくわかりません。そのまま右へ曲がり、ひたすら道なりに進みます。

 

すると…

ついに発見!
ついに発見!

ついに、”今夜も晩酌”ができそうな居酒屋を発見!

 

体は、限界まで冷え切り、空腹も絶頂に至ったこの瞬間。待望の居酒屋です。杉の木という看板がなければ、それとは気が付かなかったかもしれません。

のれんが掲げられていないので、幾ばくかの不安を感じましたが、中には明かりが灯っており、動く人影が見えます。勇気を出して、玄関の扉を開けると、晩酌O.K.の返事が。

 

杉の木での晩酌情景は、”ぶらり食べ歩き””木古内の隠れ居酒屋 杉の木”にてご紹介しています。

さぁ、早く冷えた体を温めよう。  おしまい