函館山パノラマカメラの旅
2011年1月14日
本日も滞りなく仕事を終え帰宅。今夜の晩酌は、何にしようと考えながら、北海道の人気ローカル番組”どさんこワイド179”を何気なく見ていると、いつも見慣れた各地のパノラマカメラんからの映像が流れていました。画面が切り替わり函館山パノラマカメラの映像が映し出された時、山頂を飾る美しいイルミネーションが目に飛び込んできました。函館に住んで7年になりますが、このような演出は、知りませんでした。
すぐさま出かける用意をして、10分後には家を出ました。函館山パノラマカメラの旅の始まりです。
いつもの通り、函館市電五稜郭公園前電停より乗車。いつもの通り、函館山についての下調べも何もしていません。有名な観光地です、調べなくともたどり着くことはできるでしょう。
時刻は 6:30。谷地頭行きの電車に乗り込みました。仕事や学校帰りの人々で、電車は、やや込み合っています。しかし、よく見ると空いている座席もあるようです。
空いてる座席を発見。座らせてもらいます。
席に着きほっと一息。さきほど見た”どさんこワイド”のテレビ映像がくっきりと頭に浮かびます。今夜は、雪も降っておらず函館夜景も鮮やかに映し出されていました。
「きっと山頂から直接見る夜景は、もっと美しいんだろうなぁ、イルミネーションも綺麗だろうなぁ、山頂では、ビールが飲めるかなぁ?」
いろいろな思いが頭をかけめぐります。
ところで、函館山へ行くには、どこの電停で降りればいいのだろう?
まず十字街まで進み、そこから南方向、谷地頭方面へ向かい、函館山ロープウェイが見えてきた辺りの電停で降りるつもりでいました。だから電車もあえて十字街から北へ向かう”函館どつく行き”をやり過ごして、5分後の”谷地頭行き”にわざわざ乗車しています。ところが車内の観光案内を見てみると、函館山ロープウェイへは、十字街電停で降りると良い、というような説明がなされていました。最初に来た電車をやり過ごす必要は、なかった訳です。何も調べてこないというのは、こういうことがあるので旅の楽しさ倍増です。
函館山には、何が待っているのか考えながら電車に揺られること20分弱。まもなく十字街電停です。料金240円を用意し、忘れ物がないかを確認し降車準備を始めます。
「あれっ、雪が降ってきたぞ。大雪になれなければいいのになぁ…」
十字街に到着。電車を降りた途端、大雪となってしまいました。函館山の姿も全く見えません。
”雪き降りしきる函館の街”も風情があってなかなかよろしいのですが、今夜の目的は、函館山パノラマカメラとイルミネーション。
「雪か~、残念だなぁ」
電停から歩道へ渡る信号が青になったので、とりあえず渡ります。
さすが有名な観光地。横断歩道を渡った先に、とても分かりやすい観光案内がありました。ロープウェイまで520mとあります。吹雪の中520mの上り坂を歩くのは、なかなかしんどいけども、この距離でタクシーに乗るわけにもゆかず、♪寒さこら~えて、歩いてゆくことにします。
この美しい建物は、いったい何なのでしょう?分からないけど、インフォメーションによると、ここを左に曲がればいいようです。ここから先は、ずっと坂道です。はぁ~
それにしても綺麗な建物、石造りでゴージャスな造りです。雪の中ライトアップされている姿が、心を魅了します。
ロープウェイ山麓駅に近づくにつれ、勾配がきつくなってきます。ごらんの通りかなりの傾斜です…
といいつつ実は、より坂道を急に見せるためちょっとだけズルをして、カメラを少し傾けて撮影しちゃいました。ごめんなさい。でも結構急なのですよ。
やっとのことでロープウェイ山麓駅に到着。気温は、連日の氷点下。片手はカメラを持ったままなので、手がかじかんで痛みを通り越して、感覚がなくなっています。シャッターボタンを押してもきちんと押ささっているのかも分かりません。早いところ駅の中へ入ります。
うわぁ~ あったか~い。みるみる指先に血液が再灌流しはじめ、ずきんずきんと痛みがよみがえります。
かじかんで感覚の失われた指で、苦労して財布のチャックを開け、大人往復切符1枚1,160円を購入しました。
その後しばらくして、指先にぬくもりが戻り温暖のありがたさに心から感謝します。
いよいよロープウェイに乗車します。ところで今、”乗車します”と記載しましたが、ロープウェイ本体には、”くるま”は付いておらず、はたして”乗車”と言ってしまっていいのだろうか、ふと疑問に思ってしまいました。
よく分からないけども旅は進んでゆきます。
函館山ロープウェイ。時刻は19:20。一緒に乗り込んだお客さんの数は、7~8人ほど。その他に一人係の人が乗り込みました。係の人に聞いたところ、このロープウェイには、最大125人が乗れるそうです。とても広いゴンドラ内に、10人足らずの客ですから、四方の景色は見放題。
いい具合に手すりがあったので、手すりに腰をかけ夜景を眺めます。
まだ雪は降り続いていますが、ぼんやりと函館夜景の全貌が見えてきます。約3分で山頂駅に到着します。
一緒に乗り合わせた人は、夜景ではなく、自分のことばかり眺めていたようです。残念ながら声をかけてくれる人は、いませんでした。
あっと言う間に山頂です。山頂駅建物の2階へのぼるとお土産屋があります。ここにはまだたくさんの観光客がいて、日本語の他に中国語や韓国語が飛び交っていました。
土産物を眺めながら、ここでしばらく暖をとり、最上階の展望台へと向かいました。
ついにやりました。”どさんこワイド”のパノラマカメラで見た、山頂のイルミネーションです。テレビで見るよりもずっと大きくて明るく、気持ちが優しくなる光景です。
そしてお待たせしました。函館山からの冬の夜景です。
小さな写真からは、感じ取るのが難しいと思いますが、光源の集合体が織りなす曲線の美しくさ、ひとつひとつの光源までの距離がとても近いことにより感じられるダイナミックさ、感動の風景がそこにありました。以前よりも山麓の光が少なくなったと言われていますが、むしろより奥の方へと光の線や帯が広がり、函館夜景は、より大きなものになったのではないかと思いました。
そういえば、さきほどからの雪が、ウソのようにすっかり止んでいます。指先にもまだぬくもりが残っています。よし、再び動画モードへ切り替えてみましょう。少しでも感動が伝わるかな。
動画がうまく見られない方は、こちらから。http://www.youtube.com/watch?v=_LSjgEl4Cds&feature=mfu_in_order&list=UL
どうでしょう、パノラマカメラ風にカメラを左へ右へと操作してみましたが、少しは感動が伝えられたでしょうか?
たちまち手がかじかみ、体から体温が奪われてきました。撮影を終え慌てて駅舎へ駆け込みます。
お土産売り場の階に、こんな案内を発見。家を出る時から、夜景の後は函館山で今夜も晩酌と考えていました。”函館市内では函館山限定”の文字が見えます。懐かしい”流氷ドラフト”です。なぜ懐かしいのかというと、実は以前網走に勤務していたことがあるのです。
こちらが”流氷ドラフト”です。さっそく飲んでみます。地ビールにありがちな甘くどさは全くなく、お酒好きにはたまらない、しっかりとしたアルコールの味わいが感じられます。どんな食べ物ともよく合いそうです。
さて、つまみでも注文しようかな。
少々お高いのですが、チキンと合鴨の盛り合わせ\800を注文。メニューの写真は立派ですが、さてここは観光地。きちんと写真通りの形で出てくるのかな?
待つこと数分。ちゃんと写真の通りに出てきました。チキンも合鴨も写真で感じた以上に分厚く、ボリューム満点です。
もう一杯ビールを追加。ビールを通して函館夜景が見えます。実に幸せな光景です。さきほどよりも更に天気は回復し、はるか遠くまで光の波が広がってゆきます。体の隅々まで陽気なビールの酔いが広がってゆきます。
函館パノラマ夜景に乾杯!
時刻は20時を少し過ぎました。ロープウェイの最終は21時とのことでしたが、明日も仕事があり、早めに下山することにしました。ロープウェイでの下山、夜景を眺めながらの3分旅行です。
まもなく山麓駅に到着します。
函館山パノラマカメラの旅。今回も突然の思いつきだけで、なんの準備もなく旅立ちましたが、良好な天気の下で函館パノラマ夜景とイルミネーションを堪能し、思いがけず”流氷ドラフト”と再びめぐり会い、ムード満点な”今夜も晩酌”ができました。
他の観光客がするように、順番を待って穴あき看板で記念撮影をし、再び市電に乗車し帰途につきました。感動的な旅だったな~
おしまい