サホロリゾートで雪見酒 前編
川上郡新得町狩勝高原
2011年1月8-10日
3連休が始まりました。いつもは、自宅の近所を気ままに一人旅していますが、全国的に寒波が襲来し降雪が続きます。昼間は、スキーを楽しんで夜は、雪見酒なんていいなぁ。突然思い立ち”スキー&雪見酒の旅”を決断。スキーをするのは、十数年ぶりとなりますが、幼少時に赤平山スキー場(現在営業中止)で鍛えた(?)経験もあるしなんとかなるでしょう。
向かった先は、30年ほど前に二度ほど行ったことのある、狩勝高原サホロスキーリゾート。雪質が大変良かったのを覚えています。お酒は毎晩だけども、サホロもスキーも久しぶり。どんな体験が待っているかな。それでは、しゅっぱ~つ!
とても寒いです。自宅前ですが、一面真っ白です(雪はねしてないだけか…)。現在の気温、マイナス6度。しかし、これから向かう道央方面は、更に気温が低い地域です。念には念を入れて十分な寒さ対策をしておきます。
世間は3連休ですが、本日午前中勤務があります。今晩のうちに目的地へ到着するために、飛行機と車を乗りついで向かいます。一瞬、先日の”欠航”が頭をよぎります… 今日は、飛行機飛ぶかなぁ?
なにはともあれ出発です。
本日も雪は降りしきりますが、先日の欠航の時のような風はなく、滑走路の除雪のために20分ばかり遅れはしたものの無事に飛行機は、旭川空港へ向け飛び立ちました。
飛行機は、かなり揺れましたが無事に旭川空港へ到着。第一段階クリアです。
引き続き車に乗車し、美瑛→上富良野→中富良野→富良野→南富良野を経て狩勝峠へ向かいます。
美瑛も富良野もそれだけで全国的にも非常に有名な観光エリアですが、今回は惜しげもなく素通りしてゆきます。いや、かなり惜しかったです、本当は。
時刻は午後3時半を過ぎた頃。美瑛を過ぎ上富良野を走行中です。早くも夕闇が迫りつつあります。
少し気は焦りますが、安全運転は大切です。
午後5時。峠の麓の街、落合を通過しました。すでに外は、夜の闇に包まれています。
狩勝峠を越えるとまもなく、目的地サホロリゾートがあります。あと少しで到着です。
午後5時半。サホロリゾートへ到着。狩勝峠は猛吹雪となっていましたが、幸い事故に遭遇することもなく無事にたどり着くことができました。
”リゾート”といったものには、とうてい縁のない中年ハゲ頭ですが、記念にぱちり。
部屋に荷物を置き、すぐさま向かった先は、サホロイオンスパ”リフレ”。
イオンスパの意味は、よく分からないけども、要するに温泉です。温泉で十分に体を温め、今回の旅の第一目標である”雪見酒”のための入念な準備を整えます。
温泉につかり旅の疲れを癒し、冷えた体を芯から温めて”雪見酒”の準備は完了。
今宵むかうは、フレンチレストラン”サホロガーデン”。当然のことながら下調べなどしてないので、晩ご飯がなんなのかは、着くまでは知りませんでした。チェックインの際に受けた説明によると、”フレンチ”、”イタリアン”、”和風”の各食事処の中から希望の店を選び、自分の部屋の電話から直接予約をするということです。この日は大変混雑しており”イタリアン”も”和風”も8時を過ぎないと予約が取れないということなので、フレンチレストランとなりました。
それにしてもこの風貌、全くもって横文字が似合いません。
ちなみに今回申し込んだプランは、「滞在中リフト・ゴンドラ乗り放題、朝・夕2食付連泊プラン」(大人一人¥11,550税込)というものでした。
チェックインの際にもらったディナークーポン券を係の人に渡し、席へと案内されました。
「あっ、箸がない…」
なにやら本格的フランス料理の気配です。急に緊張してきました。第一目標の”雪見酒”は、この段階で吹っ飛んでしまいました。こんなことなら、中学の時テーブルマナー講習会に参加しておけばよかったな…
なんて言っても始まらないので、慣れたそぶりで席に着きます。
雰囲気に飲まれまいと、必死にビールで乾杯。
最初に出てきた料理は、エゾ鹿肉のカルパッチョ。鹿肉は、親戚のおじさんがしばしば送ってくださり、様々な部位を様々な調理法で食したことがあり経験は豊富です。決して妥協することなく一口いただいてみます…
うっ、旨い! 鮮度の良い鹿肉の爽やかな甘みが口の中に上品に広がります。冬野菜のシャキシャキの甘みと相まって、これは突然の雪見酒の風情が出てきましたよ。フランス料理も美味しいですね。さっきまでの緊張感は、ウソのように消えてゆきました。
つづいて出てきたのは、冬野菜のコンソメスープ。牛のテールも一緒に煮込んであります。中年男には、なんだかコソバユくなるようなネーミングの料理ですが、いただいてみます。
とても温かく和風ダシとは全く違う肉汁の織りなすまろやかな甘みが漂います。肉の脂の旨味だけを抽出してきたような味わいです。牛テールがこれまた深い肉の味わいを見せつけ柔々食感もたまりません。冬野菜もふんだんに使用されボリューム感も十分です。今の季節にぴったりのスープでした。
ふぁ~ う ま い~ 幸せだな~
まだまだ続きます冬野菜。さすが十勝平野を眼下に見渡す狩勝高原ならではのメニューです。
どれもこれも非常に甘みが濃厚でしゃきしゃきぷっちん(ぷっちんは、トマトの音です)で、尚かつほんのり感じられる苦みがたまりません。大人の味です。でもとても甘いので子供も喜んで食べると思います。
焼き立てパンは、食べ放題です。
雪見酒に浸りっぱなしで、これまたメモをとるのを忘れちゃいましたが、2種類とも十勝のバターの効いた大変おいしいパンです。少々説明が乱暴ですが普段あまりパンを食べないので仕方ありません。しかし、本当に美味しいパンでした。
本日のメインディッシュです。釧路産真鱈トリュフ風味。出ましたよ世界三大珍味のトリュフ。すごいなぁ。分厚いタラの身も食べる前から食欲をそそります。さりげなく添えられたアスパラ、そして数種類の穀類が散らされ淡く黄色いソースが皿一面に広がります。う~ん、まさにフレンチ。それでは実食。
タラの皮がパリッ、いやカリッと焼かれています。身はプッリンプリン。この食感だけでもたまらないのに、タラのひそやかな甘さにトリュフの洗練された香りが混ざり合い、これぞフレンチ!(ほんとうは、フレンチもよく分からないのだけど)
はぁ~ 来てよかったなぁ~ 雪見酒大成功!
最後は、デザートです。いやデザ~トといった方が良いのかもしれません。見てくださいこのおしゃれな色合い。女性はもちろん大喜びでしょうが、中年ハゲだって大喜びです。
生姜のプリンです。説明を聞いた途端、「ん?…… それって美味しいの??」
クエスチョンマークが三つもついてしまいましたが、一口食べて驚愕。甘さが控えめで生姜がほんのり香ってとてもエレガント。要するに想像してたのと全く違い、とっても美味。
雪見酒をしていたくせに終わりには、コーヒーまで飲んでしまいました。
部屋へ戻りました。ホテルは、たくさんの木々に囲まれています。夜になるとその森がきれいにライトアップされます。雪が音もなくしんしんと降り続けます。いつもは、和風晩酌が主体ですが今夜は、ロマンチックに洋風晩酌です。窓からの景色を見ながらゆっくりと雪見酒を続けます。
明日は、いよいよ第二の目的であるスキー。サホロのパウダースノーを堪能しますよ。今回も電池ばかり食うオンボロデジカメの動画モードが稼働します。お楽しみに。
”サホロリゾートで雪見酒 後編”へつづく