みやびたかしの毛ガニの食べ方

2011年1月15日 中島廉売にて購入 一杯1,000円

手順① カニの姿をゆっくり眺めます
手順① カニの姿をゆっくり眺めます

それにしても、大きな毛ガニですね。これで1,000円ですからね。いい買い物をしました。新聞を敷くのを忘れないでくださいね。

さっそくいただいてみます。

その前に、

手順① ゆっくりとカニの姿を眺め、香りを楽しむ。

北海道に住んでいても、カニを食べることは、それほど多くはありません。ましてや大きな毛ガニをまるごと一杯いただく機会は皆無に等しいものです。姿・形・香りをゆっくりと楽しむわけです。

 

 

 

手順② 甲羅をむきます
手順② 甲羅をむきます

手順② 甲羅をむきます。

ミソが十分に詰まっているか判明する非常に大切な手順です。大切と言っても、この時点でどう頑張ってみても、入っているミソの量が増える訳ではありませんが、この手順におけるミソの詰まり方次第で、この後の工程を続けてゆく際のモチベーションの高さが乱高下します。大切かつ緊張の手順です。

さて開けてみます。うわぁ~、ミソがびっちり入ってました。俄然モチベーションが急上昇します。ちょっぴり味見。ふ~ん、甘~い。磯の香りがふわんと感じられます。

手順③ 手足を解体してゆきます
手順③ 手足を解体してゆきます

手順③ 手足を解体してゆきます。

少々スプラッタな光景となってしまいましたが、手足を1本ずつ丁寧にもいでゆきます。硬いトゲに気を付けましょう。

う~ん、早く食べたい!

手順④ 太もも(?)の身をいただきます
手順④ 太もも(?)の身をいただきます

手順④ ふともも(一番太い部分)の身をいただきます。

この段階で、摂取欲が抑えきれなくなってきます。最も手っ取り早くいただくことができる、足の太もも(?)部分をいただきます。料理店では包丁を用いて、上手に広くスパッと殻を取り除いてくれていますが、そんな包丁使いはできません。料理ハサミを用いて両サイドの辺縁に2か所切開を入れ、写真のようにパカッと開きます。そして間髪をおかず早急に口の中へ運びます。

う~ん、カニ特有のあま~い風味。カニかまぼこでは経験できないしっかりとした食感の身の繊維。毛ガニ最高~!

手順⑤ ハサミの部分をいただきます
手順⑤ ハサミの部分をいただきます

手順⑤ ハサミの部分をいただきます。

こちらも足と同様、ぎゅっと身が詰まっていました。足とは違い短く中心から放射状に延びた腰のある身の繊維。カニの風味はもとより、旨味も存分に詰まっております。

あー美味いっ。どうしよう。

手順⑥ ミソを眺めます
手順⑥ ミソを眺めます

手順⑥ ミソを眺めます。

お腹が少し満たされてきた頃です。あらためてしみじみと魅惑のカニミソを眺めます。あふれ出さんばかりに詰まっています。極上の珍味を前にした今、そろそろアレの準備をしなくてはいけません。

アレをするために必要なのが、次の手順⑦となります。

手順⑦ 甲羅の裏側を丁寧にいただきます
手順⑦ 甲羅の裏側を丁寧にいただきます

手順⑦ 甲羅の裏側を丁寧にいただきます。

甲羅の裏側も大変な珍味となります。甲羅に張り付いた白い膜状の部分(何と言うのでしょう?)、しっとりぷるんといった食感と、ほんのりとした甘さを楽しめます。映画”幸せの黄色いハンカチ”の一コマを思い出します。

勇さん(高倉健)「(左手に甲羅を持ちながら)そいで、甲羅はね、指でこうやって、こうやってしゃぶるんだ。」

欽ちゃん(武田鉄也)「あれこんなとこ食えるんすか?」

勇さん「うん。」

朱美(桃井かおり)「勇さん北海道生まれぇ?」

……

手順⑧ 酒をぬる燗にします
手順⑧ 酒をぬる燗にします

手順⑧ 酒をぬる燗にします。

本当は、甲羅の裏側を食べながらお酒をいただく方法もありますが、今回はどうしてもアレをしたかったので、”指でこうやってしゃぶって”きれいにして酒の準備をします。

雰囲気を出すため、でこぼこアルミ鍋に湯を沸かします。熱くて入れない風呂くらいの温かさになったら火を止め、鍋の中に日本酒を安置します。徳利に入れれば尚雰囲気が楽しめるのですが、手がカニでべちゃべちゃだったので、横着してビンのまま置きました。

手順⑨ 胴体を二つに分けます
手順⑨ 胴体を二つに分けます

手順⑨ 胴体を二つに分けます。

酒がゆっくりと温まるまでの間、カニの胴体を二つに分けます。手でも割れるし包丁で分けてもかまいません。

うっわ~~ 中にもミソがびっしり!

手順⑩ 胴体をいただきます
手順⑩ 胴体をいただきます

手順⑩ 胴体をいただきます。

胴体の部分も、基本的には足の中心部分への延長のようなものです。よく見ると足の数だけ胴体部分も薄皮で仕切られています。それぞれの区画は、間に指を滑り込ますことで容易にわかれてきます。作業中に、それぞれの区画には、ほどよくミソも刷り込まれてゆきます。それではひとついただいてみましょう。じゅわーぷるりん。カニ風味指数もここが最高。カニみそが絡むことで、世界屈指の珍味へと登りつめます。

酒の状態も確認します。そろそろほどよく燗されてきたようです。

手順⑪ カニの甲羅にぬる燗を注ぎます
手順⑪ カニの甲羅にぬる燗を注ぎます

手順⑪ カニの甲羅にぬる燗をそそぎます。

”アレ”の正体は、そう”コレ”です。カニの甲羅酒。酒を燗することでカニの風味を高めます。ぬる燗とすることで強すぎる酒の香りを抑えます。

ふわんと香る磯の香り。目の前に北の海の情景がリアルに浮かんできます。酒をチビッと口に含み、おもむろにミソののったカニの身をいただきます。極上の喜びを感じられる瞬間です。

手順⑫ 十二分にカニを堪能いたしました
手順⑫ 十二分にカニを堪能いたしました

手順⑫ 十二分にカニを堪能いたしました。

つまらないダジャレとなってしまいました(⑫と十二)。すみません。

食べられるところは、全て食べつくしました。極上の珍味をいただくことができ、とても夢心地です。今夜は、穏やかに眠ることができそうです。

とても美味しい毛ガニ、ごちそうさまでした。

 

※カニの各部の名称から処理の仕方、食べ方まで、すべて”みやびたかし”オリジナルです。オリジナルと言えば聞こえはいいですが、つまりはデタラメです。ご注意願います。