夢のトイレ62

夢のトイレ62  流体中の物体は、その物体が押しのけている流体の重さと同じ大きさで浮力を受ける。もしボクがここで個体のものを放出したならば、それと同じ体積の海水よりおそらくその個体は軽いから、その一部を水面の上に出してプカリと浮くのだろう。物理学で考えずとも容易に想像はつく。では今から出てくると予想される流体のやつではどうだろう・・・  おっと、その前に待てよ・・・  ボクが家で個体のやつをした時には、いつもそれは水洗便所の水の底に沈んでいたぞ。実は、個体のが水に浮かぶ光景というのは、ボクが実際にどこかで見かけたものではなく、ボクの脳が作り上げた虚像?・・・  そうなると個体のやつとか流体のやつとか、そういうことが問題なのではなく、便は浮くのかどうかということが議論の中心になる。ボクは今にも噴出しそうな便意を押し殺しながら思考回路を猛回転させた。そして数十年に及ぶボクの人生映像を巻き戻し、そして早送り、それを短時間の間に繰り返しているうちにようやく結論を見出すことに成功した。 (つづく)