夢のトイレ46 ボクのこの行動を見て彼らはどう思っているだろう。慌てているだろうか。それとも、この行動まで彼らの計画通りなのか。ボクはバックミラーを覗き込んだが追ってくる車はない。少し進むと先ほど降りた八雲ICへの案内表示が見えてきた。便意は現在10段階の7。海で言うところの引き潮といったところだ。しかし、大きく潮が引いたあとに高波が押し寄せるのは、海も便意も一緒。次の波はいつ襲って来るのか。正確に予測はできないが、これまでの便意強度波形を分析する限り数分以内といったところか。それまでの間になんらかの解決策を見出さねばならない。ボクは高速道路へは向かわず、そのまま国道を直進する選択をした。その方が自由度が高いと判断したのだ。さて、これからどうする。少なくとも彼らが計画し得ないような形で排便する必要がある。だからとにかくトイレはダメ、車内もダメ。やはり野原か? いや、それもダメだ。彼らどころか他の誰からも丸見えだ。落ち着いて考えよう。今はまだ早春、そして右手には噴火湾、砂浜がつづく海岸・・・ (つづく)
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