夢のトイレ33

夢のトイレ33 あまりに馬鹿げたことなのだが、今朝から連続して起きている不思議な出来事を思えば、これも当たり前のことのように思えてくる。右には噴火湾が広がり、小さな白波が複雑な模様を描いている。左には緑が芽生え始めた山の木々が生い茂る。そうだ、せっかくだから次のサービスエリアまでの距離を確認してみよう。ボクはふたたび目線を前方に向け、ゆっくりとズームしてみた。道路は小さなトンネルや橋を通り過ぎ、その先にある大きな街へと続いてゆく。その街の少し手前に広い駐車場を備えた建物が確認できた。サービスエリアだ。そこから視線がそれないように、今度は慎重にズームアウトする。見えた、ボクの車が走っている。現在の便意は10段階の6。これなら十分に間に合うだろう。あとは、そこに到着するまで、この壮大な風景を楽しむことにする。 (つづく)