夢のトイレ24

夢のトイレ24 カラカラカラカラカラ。トイレットペーパーを力強く巻き取った。それを団子状にしたまま、シャワーで濡れたお尻の水を拭き取った。結局オナラのひとつも出なかったが、これだけ汗をかきながら踏ん張ったのだから、外の人にもボクの演技はリアルに伝わったに違いない。ジョゴー、パンツを履きズボンを上げてトイレの水を流した。テッシュの団子は大げさなほど巨大だったが水洗の勢いは、それをはるかに凌ぐものだった。にわかに緊張してきた。床に置いていたカバンを肩にかける。ドアのロックを解除した。そして、ゆっくりドアを手前に引いた。ボクは外の人物に顔を見られないよう下を向いたままトイレを出ようとした。ドアの前に立つ人物の足元が見えた。 「えっ」 ボクは驚いて、そこで立ち止まった。 (つづく)