夢のトイレ11

夢のトイレ11  あった。ボクはすぐさま尻ポケットの中の紙切れを取り出し確認してみた。薄くて小さなピンクの紙片は、先日観た映画「ベイマックス」の半券だった。銀河鉄道の夜では、ジョバンニがポケットを探ると切符が出てきた。それも、どこまでも乗車可能な天上まで行ける特別切符だった。“特別”とまではゆかなくとも、せめて普通の乗車券くらいは入っていて欲しかった。あまりにも現実すぎる結果にボクは落胆した・・・  いや違う、今ボクは現実には起こりえない事態に陥っている最中だった。ボクは心を落ち着かせ、今度は車の運転席に座っている自分を想像してみようとした。 (つづく)