夢のトイレ1

夢のトイレ1  玄関脇の日陰に数センチほど残っていた雪も、昨夜から降り続いた雨が全て消し去ってしまいました。時刻は午前7時を少し過ぎたところ。雨は上がりましたが空はまだ暗いネズミ色をしています。これからボクは、とある山奥にある温泉宿を目指します。それはだいぶん前から決められていた予定のようですが、ボクには詳しいことは分かりません。こんなに朝早く出かけることも今知りました。ボクはチョコレート色のビニール製のショルダーバッグを片手に自分の車の運転席に乗り込んだ。バッグを助手席に放り投げエンジンを始動した。すると昨日切り忘れたのか、すぐさまワイパーが高速で動き始めた。 (つづく)