4月7日 しかし、その二日酔いも間もなく終焉の時を迎えます。ボクは、そのままデッキに立ち手動の扉をスライドさせ客室内へと進みました。対面式のシートが左右に並んでいます。発車まで時間があるからなのか、それとも今日は利用客が少ないだけなのか、車内を見渡すと他の乗客は3人だけでした。ボクは列車の真ん中くらい、進行方向左側のシートに腰をおろしました。こちら側からは、大野駅に停車した際に現在建設中の新幹線の駅が見えるし、大沼のトンネルを抜け出た時には駒ヶ岳と大沼の美しい競演が見られるのです。しかし、ボクがこのシートに座った時、本当にそこまできちんと考えていたのかは定かではありません。なぜならボクは、これから始まる二日酔いの終わりの時に全ての思考を支配されていたからです。 (つづく)
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