2015年4月6日テロップ記事

46日 最終的には、ひどい二日酔い状態で迎え酒をするところに驚喜があるわけですが、旅の場合と同じように、その直前という時期が期待や想像が膨らむ分だけ本番よりもむしろボクは好きなのかもしれません。なので「二日酔いのススメ」なのです。列車の発車までまだ10分ほど時間があります。ボクは2両目の車両の後方乗降口に近づきました。そしてゆっくりとタラップに右足をかけたところで足元へ視線を向け、目的もなくホームとタラップの隙間の様子を確認しました。そこからは砂利に反射した日の光とディーゼルエンジン音と軽油の匂いが漏れ出てきます。そのどれもが二日酔いの体には、つらい刺激となるはずなのに、今のボクには全身で受け止めても余りある愛しい色彩であり、旋律であり、芳香であると感じます。だから二日酔いはやめられないのです。 (つづく)