3月2日 1/3ほど空いたジョッキを目の高さまで持ち上げ、中で黄金色に輝いているビールをじっくりと眺めます。ビールを注いでいる時には細かな泡がジョッキの中でダイナミックに対流しますが、今はそれも落ち着き、その静けさは、まるで神が宿る神秘の湖のよう。と言うのは大げさすぎますが、飲んでいる最中の生ビールというのは、思っていたよりも泡の発生が少ないのです。見ていると時たま極小の気泡が出現し、小刻みに震えながらゆっくりと上昇してゆきます。お酒を飲んでいるときというのは、どうでもいいようなこんな些細なことにさえ好奇心や興味がわいてくるのです。そのままジョッキを傾け、ボクは静かな黄金色のビールをもう一度喉に流し込みました。 (つづく)
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