SF超大作「続・大福」第13話

 第13話  「理解不能の“真実”」

     

「あっ、」  

思わず声が出た。これまでずっと得体の知れない不気味な追跡者をイメージしていたのに、そこに立っている“女性”は、不気味どころか、非常に綺麗で可愛い人だった。ただ驚いたのはそれよりもむしろ“女性”の顔がボクの彼女にどことなく似ているところだった。

「開けてくれてありがとうございます。」

「は、はあ。」

嘘のように不安や緊張感は消えてなくなった。それでも返事は相変わらず間の抜けたものにしかならなかった。

「入ってもいいですか?」

「は、はい、 どうぞ。」

近くで見ると彼女の上着は、あまり見たことのないデザインだった。濃紺と思ったその色も、透明感と奥行きのある不思議な紺色だった。

「うわ、暖かい。」

「そ、そうですね。今日は外がしばれてますからね。」

ボクはぎこちなく返事をした。ただ、とても不思議な感覚だった。今日はじめて会ったにも関わらず、なんだかとても懐かしいような、これまで何度も会って話をしたことがあるような、口ではうまく言えないような感覚をおぼえた。それも“女性”がボクの彼女と似ているからだろうか。

「どうぞこちらにかけて下さい。」

「ありがとう。」

「それで、あなたは、」

ボクがそう言い始めると、“女性”はそれを遮った。

「時間がないんです。家に入れていただいてとても感謝していますが、質問は後でまとめてうかがいます。まずは私の話を聞いてください。」

「え、でも、」

「ごめんなさい。時間がないんです。私を信じて下さい。」

「・・・・・・」

“女性”の勢いと迫力に負けてボクは何も言えなかった。

「今からお話する内容は、あなたにはとても受け入れられないものだと思います。特に21世紀になってまだ日が浅いあなた達には、突拍子もなく聞こえると思います。でもこれからお話することは全て真実なのです。先入観を持たずに冷静に聞いてください。」

「・・・・・・」

“女性”は話し始めた。それは、突拍子がないどころの話ではなかった。とてもこの3次元の世界に住むボク達には理解することすらできない内容でした。それを彼女は平気で“真実”と言う。でもボクは、“女性”の話を信じた。信じられないことばかりだったのだけど、そが“真実”でなければ、朝からボクの身の回りで起きている出来事の説明がつけられないような気がした。

 

(第13話のあとがき) 

   

“女性”の話した“真実”とは、どんなものだったのでしょうね!? 

その内容は、明日判明します。多分。

今夜晩酌しながら一生懸命考えますます(笑)

本日も見て下さりありがとうございます。  

 

(おしまい)