第11話 「意外な追跡者」
家に入ってもどこから手を付けたらいいのかさっぱり分かりませんでした。連絡が取れない彼女のことも心配でたまらないけど、あの血の付いたシャツや包丁、そして現実にはありえないボクの二つの社員証。ボクはボクから消えてなくなった1週間のあいだに、何かの犯罪をおかしてしまったのか。そして、彼女と連絡が取れないのもそれと関係してるのか。そういえば、うちの会社のあの若い女性社員のこともあった。それに、どうしてボクは得体のしれない男に追われているのか。何ひとつ分からない。そうしてソファに座りこんでいると、お腹がグゥと鳴った。そういえば、朝も昼も何も食べていなかったことに今さらながら気が付いた。
「うん、そうだ。この先もどんな事態が起こるか分からないし、お腹に何か入れておこう。」
近くのコンビニに行くため再び上着をはおり玄関に向かった。そして靴をはこうと身をかがめた時、ボクの体は凍りついたように固まり、恐怖に打ち震えた。玄関の前に明らかに人の気配があった。ボクは音を立てないようにそおっと奥に戻り、台所から包丁を取り出し、それを構えたまま玄関の方へ戻った。玄関のスリガラスの向こうには、今度ははっきりと人影が、それもさっき彼女のアパートの玄関前で見たあの防寒意と同じ濃紺色が見えている。
「奴だ。」
ピンポーン。 呼び鈴が鳴った。
包丁を構えたままボクは身動きが取れなかった。
ピンポーン、ピンポーン。 再び呼び鈴が鳴らされた。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。 そして、
「すみません。」
「・・・・・・」
「すみません。中に入れてもらえませんか。是非、聞いてもらいたいことがあるんです。」
その声は“女性”のものだった。
(第11話のあとがき)
え、うそ! 追跡者は女の人だったの!? てっきり悪意に満ちた男だと思ってました。 で、この人は誰? 謎が謎を呼ぶ展開に、ボクまでなんだか緊張してきちゃいました。でもこの物語は“SF”なのです。なので、ただの女の人ではなく、女の人に化けている妖怪みたいなものの可能性もゼロではないのです。
本日も見て下さってありがとうございます。さてと、それじゃボクはこれから旅に出ます♫ いい映像が撮れたなら、いずれご紹介いたします。それではまた明日。
(おしまい)
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スカイ (木曜日, 27 2月 2014 18:49)
ちょっとドキドキしながら読んでます。
次の展開が楽しみです。
miyatakagoroli (金曜日, 28 2月 2014 07:44)
スカイさーん!
とっても嬉しいコメントありがとうございます♡
ボクもこの先どう進めようかとドキドキしています(笑)
これからもどうぞよろしくお願いします♪