SF超大作「続・大福」第10話

10話   「先の見えない帰宅」    

 

もしかしたらパソコンがいじられていたかもしれない。電源を入れてみた。

数分後、ようやくログイン画面が立ち上がった。しかし残念ながら彼女のログインパスワードが分からない。彼女の生年月日や電話番号など片っ端から入力してみるが、すべて拒否されてしまう。

「無理だ。 あきらめよう。」

その後も1時間ほど彼女の帰宅を待った。  

10時を回り、彼女がなんらかのトラブルに巻き込まれたと確信して、彼女の部屋を後にした。普通ならここで警察に通報するところかもしれない。でも、あの血の付いた包丁と衣類の件があるのでボクは警察に連絡することができなかった。これからどうしていいのか分からないまま、さっき彼の車が向かったのとは反対側に車を走らせた。そしてボクの家を遠くから大きく回り込むようにして帰宅した。帰宅するまでの間は幸いにも彼の車には一度も遭遇することはなかった。ボクは少し安心して家の中に入った。

そして、この時ボクは気付いてはいませんでしたが、家に入るボクの姿を見ていた人物がいました。そう、ボクの家がある通りの1本となりの小路に、水色の軽自動車がエンジンを止めたまま停車していたのです。

 

(第10話のあとがき)

 

なんだかいつの間にか”SF”というよりも”サスペンス”みたくなってきました。さて、今後の主人公”ボク”の運命やいかに!   

なぁ~んて煽っておいて、この後は拍子抜けするような展開になる場合もあるのです。明日もどうぞお楽しみに。本日も見て下さってありがとうございます。   

 

(おしまい)