第7話 「接近」
その後は軽自動車に出くわすこともなく、無事に彼女の住むアパートに到着した。このアパートの3階が彼女の部屋だ。外から見ると彼女の部屋の明かりは消えている。
「不在なのか?」
共用玄関から中に入り、3段飛ばしで階段を駆け上がった。まずはチャイムを鳴らしてみた。予想はしていたが応答は無かった。そこで、合鍵を使って部屋に入ってみた。玄関の明かりをつけ奥の様子をうかがうが人の気配はない。リビングの明かりもつけてみたが、部屋には誰もいなかった。
「まだ仕事から帰ってないのか?」
しばらくここで待つことにした。待っている間、ボクの失った1週間を知るヒントがないか部屋中を探し回った。12月25日に一緒に行ったレストランのメニューの書かれたカードがあった。ボクにとっては“昨夜”のことが、今はなんだか途方もなく昔の事であったような気がする。いたるところを物色したが、結局期待したものは何も見つけることができなかった。
8時になった。 遅すぎる。 いくら残業があっても8時を過ぎたことは今まで一度もない。胸の中で急速に不安が膨らんできた。どうしていいか分からないまま、何気なくベランダの窓から外を見た。突然、恐怖がボクを襲った。あの水色の車だ。車の運転手もこちらを見ているようだが、中が暗くてどんな人物なのか分からない。ふと我に返り、あわてて部屋の明かりを消した。
「どうする、 どうする、 どうしたらいい。」
カチャ バズンッ
外から車のドアの音が聞こえた。恐怖で頭が混乱し始めた。
「どうする、 どうすればいい?」
今なら相手の姿を見ることができるチャンスだったが、恐怖のあまりその場を動くことができない。
キュルキュルキュル 共用玄関の扉の音。
カツン、 カツン、 カツン、 カツン、 カツン、
ゆっくりと足音が近づいてくる。
「間違いない。 あいつだ。」
今ならまだベランダから逃げられる。ここは3階だけど、きっと非常用の脱出口のようなものがあるだろう。
カツン、カツン、カツン、カツン、
こちらの気配に気が付いたのか、足音が急に早くなった。
(第7話のあとがき)
絶体絶命のピンチ! 早いとこベランダから外に逃げればいいのに。なんだか自分のことのように焦ってしまいました。明日の続きもお楽しみに。
っていうか、今のところ”お楽しみ”は一度もないまま来てるので、”明日の続きも” というのはおかしいのです。では言い直します。
明日の続き”こそ” お楽しみに♫
これでいいかな。いや、明日も楽しくはないかもしれない…
よし、もう一度言い直します。
明日の続きは、楽しければいいな♡
よし、これで行こう。あまり楽しくはないかもしれないけど、もしかしたら楽しい展開になる可能性も1%くらいはあるかもしれないしね。それでは、本日も見てくださりありがとうございます。
(おしまい)
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スターフィールド (金曜日, 31 1月 2014 21:54)
こんばんは
みやびさんは料理に小説にと多趣味&多芸ですね。
miyatakagoroli (土曜日, 01 2月 2014 08:44)
スターフィールドさん、ありがとうございまぁ~す♪
ボクも小説を書くなんて夢にも思っていませんでしたが、
文壇デビュー目指して執筆を続けてまいります!
なんていうのは冗談でして、なぜ書き始めたのかは未だ不明。
そして、中途でやめられなくなった現状に戸惑いを隠せません。
しかし、人の迷惑省みず、明日もお話は続いてゆくのです(笑)